建物の老化には、【物理的老化】【機能的老化】【社会的老化】があります。
【物理的老化】
経年老化によりコンクリート部に亀裂や空洞ができて脆くなったり、塗膜・タイルの剥がれが生じるなど、建物の壁・屋根等の老化が生じている状態のことを指します。
※主な廊下箇所の特徴
◆タイルの浮き・剥がれ
タイルとモルタルの境界面に隙間が生じるなど接着不良となり、部分的に分離した状態
◆鉄部の発錆
経年により鉄部を保護している表面の塗装が老化することで露出部から水分が入り、
錆が生じた状態
◆チョーキング
日光や雨水等の外部から加わる力・影響により、コンクリート表面の塗膜が老化し粉末が生じた状態
【機能的老化】
新築時には最新設備として導入したものが、その後、高機能製品が開発され普及することにより、相対的に古く使いにくいものとなってしまうことを「機能的老化」といいます。
エレベーターや防犯システム、給排水設備の給水方式が代表的な例です。
当時は最新だった設備でも、新たな製品やシステムが開発されることで、いずれは新築時の付価値が失われていきます。
【社会的老化】
居住者のライフスタイルや世の中のニーズの変化に対し、機能や設備が不足してニーズを満たしていないことで建物の価値が下がってしまうことを「社会的老化」といいます。
例えば、社会的老化の例としてバリアフリーやユニバーサルデザインへの対応が挙げられます。特に高経年のマンションではエントランスや廊下内の段差、エレベーターがない、階段に手すりがついていない等、高齢化やしょうがい障害をお持ちの方などが住みにくくなっている社会的老化が大きな問題となっています。