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2025.03.24

マンションの大規模修繕工事の費用はいくら? [改善後]

”セミナー風景”

マンションやビル、アパートなどで大規模修繕工事を行う際、一体どのくらいの費用がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、「マンションの大規模修繕工事の費用はどのくらいかかるのか?」に焦点をあてて、費用の目安や負担額、修繕積立金の内訳について詳しく解説します。

 

【大規模修繕の費用の目安はいくらくらい?】

大規模修繕工事にかかる費用は、マンションの規模、構造(RC造、鉄骨造、木造アパートなど)によって異なります。一般的な目安として国土交通省が公表しているデータを参考にすると、1戸あたり100万円前後が平均的な相場です。

国土交通省の平成29年の調査によれば、マンション1戸あたりの大規模修繕費用で最も多かったのは75万円~100万円(30.6%)、次いで100万円~125万円(24.7%)、50万円~75万円(13.8%)となっています。つまり、築20年以上のマンションでは、一度の大規模修繕で1戸あたり100万円前後の負担が一般的ということです。

仮に総戸数100戸のマンションなら、全体で約1億円規模の費用が必要となります。ビルや団地など規模の大きな物件も同様に、戸数が多くなるほど全体の修繕費は高額になりやすく、外壁や床、屋上などの劣化状況によっては費用が高騰するケースもあります。

【マンションの大規模修繕はなぜ必要なのか?】

大規模修繕工事がなぜ必要なのか、その理由は主に2つあります。

①建物や設備の経年劣化対策

新築時は綺麗だったマンションも、築年数が進むと外壁屋根などが劣化します。紫外線や風雨の影響を受け、タイルの剥がれ、ひび割れ、雨漏りといった問題が発生します。これらの劣化部分は、オフィスビルやタワーマンションなど規模を問わず起きるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

劣化しやすい箇所は以下の通りです。

・共有部分:外壁、屋根、バルコニー、手すり、給排水配管(共用管)、エレベーター、共用廊下・階段、エントランス、宅配ボックス、機械式駐車場、フェンスなど
・専用使用部分:玄関扉(外側)、サッシや窓枠、バルコニー床、玄関ポーチ、専用庭、専用駐車場、トランクルームなど

なお、玄関扉の内側や専有部分のガス給湯配管などは、入居者負担で修繕する必要があるため注意しましょう。

②資産価値を維持するため

大規模修繕を怠ると、建物の劣化が進行し、資産価値の下落に直結します。特に分譲マンションや中古マンションでは、修繕が行き届いていない場合、売却価格や賃料が下がるリスクがあります。また、マンションの購入時には長期修繕計画や修繕履歴をチェックすることが、重要な判断材料となります。

【大規模修繕の積立金について】

分譲マンションなどでは、管理費とともに毎月積み立てる「修繕積立金」が必要です。入居者にとっては負担となりますが、将来の大規模修繕工事や資産価値の維持には欠かせない重要な費用です。

・修繕積立金とは?

修繕積立金は、マンションの共用部分(外壁・屋根・エントランス・エレベーターなど)の修繕や維持管理に充てるため、全入居者で積み立てる費用です。専有部分は原則入居者個人の負担ですが、共用部分については管理組合が工事を実施します。

修繕積立金は、築20年、30年先までを見据えた長期計画に基づき積み立てられます。一括徴収では入居者への負担が大きすぎるため、管理会社が月々分割して徴収する形が一般的です。

・修繕積立金の金額は「長期修繕計画」に基づく

修繕積立金の金額は、国土交通省が示す長期修繕計画作成ガイドラインを元に、分譲事業者が策定します。

「均等積立方式」では、30年などの長期で計算した工事費用の総額を毎月均等に分割して積み立てます。一方で、初期費用を抑えたい場合は「段階積立方式」が用いられ、築年数が進むごとに積立金が増額されます。

ただし、足りない、または不足する事態を防ぐためには、建物の状況や物価高騰などに応じて長期修繕計画を随時見直すことが大切です。

【修繕積立金の目安は?】

マンションやビルにおける修繕積立金の相場は、一般的に1戸あたり月額6,944円~10,416円とされています。大規模修繕工事に必要な費用は1戸あたり100万円~150万円が目安です。たとえば、100万円~150万円を12年(144か月)で積み立てる場合、月々の積立額は6,944円~10,416円となります。

この負担額は、マンションの戸数や築年数、共用部分(外壁、屋根、床など)のグレードによって異なります。
総戸数が多い大型のタワーマンションオフィスビルでは、戸当たりの負担が軽くなりやすい一方、小規模マンションやアパートでは、1戸あたりの負担が大きくなるケースもあります。

なお、一般的に新築マンションは、築浅のため積立金は安く設定されていることが多いですが、築20年を迎えるころには積立金が見直され、増額されるケースが多いです。最初の積立金の安さだけで物件を選ぶと、後に不足するリスクがあるため注意が必要です。

【修繕積立金の代表的な使い道は?】

マンションの修繕積立金は、以下の3つの用途に活用されます。

①定期的に行われる大規模修繕工事にあてる

10年~15年ごとに行われる外壁・屋根・・バルコニーなどの大規模修繕工事の費用に充てられます。これにより、建物の劣化を防ぎ、マンションやビルの資産価値を維持する役割を担います。

②共用施設の改善やリニューアルにあてる

駐輪場や駐車場、エントランス、共用廊下などの設備改善・リニューアルにも活用されます。見た目だけでなく、防犯性や利便性向上のため、修繕積立金が使われることもあります。日常の清掃や軽微な修繕は管理費から支出されるケースが多いです。

③災害・事故時の緊急対応費用

台風・地震などの自然災害や、突発的な事故による被害が発生した際の修繕費用としても利用されます。特に、古い団地や築古物件では突発的な修繕が増える傾向があり、積立金は重要な備えとなります。

【修繕積立金を滞納するとどうなる?】

マンションやビルで修繕積立金を滞納すると、以下のリスクが発生します。

・財産の差し押さえのリスク

長期にわたり修繕積立金や管理費を払えない状態が続くと、最悪の場合、管理組合から競売差し押さえといった強制的な措置を取られる場合があります。近年では、実際に競売を行うケースも増加しています。

・信用情報には影響しないが社会的信頼が低下

滞納によって金融機関の信用情報には影響しませんが、管理組合との関係悪化や住民間での信頼低下につながる恐れがあります。支払いが困難な場合は、早めに管理会社理事会に相談することが大切です。

【管理費・積立金が払えない時の対策】

①管理会社や理事会に早期相談

支払いが難しい場合、まずは管理会社や理事会に事情を伝え、支払猶予や分割払いの交渉を行いましょう。

②分割払い・期日の延長を交渉する

一度にまとまった金額が払えない場合は、分割払いや期日延期を申し出ることで、柔軟な対応を受けられる可能性があります。

③支払いの目処が立たない場合は売却も検討

どうしても管理費修繕積立金払えない場合は、マンションの売却を含めた資産整理を考える必要があります。滞納額が膨らむ前に、冷静に対応することが重要です。

【大規模修繕工事中の生活はどうなる?】

大規模修繕工事中は、外壁工事やベランダ・バルコニーの工事により、生活にさまざまな影響が出ます。

外壁に足場が設置され、プライバシーが一時的に損なわれる
・ベランダのにある物を室内に片付ける必要がある
・エアコン室外機の移動や、BS・CSアンテナの取り外し
・駐車場や駐輪場の一時的な使用制限

騒音や粉じんの発生も避けられないため、居住者には一定の負担がかかりますが、スムーズな工事実施のためには協力が不可欠です。

【大規模修繕工事についてよくある質問】

Q.大規模修繕工事の準備は、どのくらい前から計画するものですか?
A.マンションやオフィスビルの規模によって異なりますが、一般的に100戸程度のマンションの場合は、調査診断から着工まで10ヶ月~1年を目安に考えましょう。長期修繕計画を事前に立てる場合は、さらに2ヶ月程度の期間が必要になるケースもありますので、余裕を持った準備が大切です。

Q.築10年のマンションですが、いつ頃大規模修繕工事が必要でしょうか?
A.マンションや団地では、一般的に築12年を目安に1回目の大規模修繕が推奨されています。その後も12年ごとの周期で計画されるのが一般的ですので、築20年を迎える頃には2回目の工事を検討する必要があります。

Q.工事中、ベランダに洗濯物は干せますか?
A.ベランダやバルコニーや外壁の工事期間中は、安全上、洗濯物の外干しを制限する場合があります。制限期間については事前に掲示や案内文でお知らせいたしますのでご安心ください。

Q.大規模修繕工事中は、駐車場や駐輪場は使えますか?
A.マンションビルの立地条件や工事内容により異なりますが、駐車場や駐輪場の使用制限が発生する場合があります。場合によっては、管理組合と協議のうえ、代替の駐車場を手配することもございます。

Q.工事の際に足場を設置すると、防犯面は大丈夫ですか?
A.足場の設置に伴う防犯対策も万全です。特にタワーマンションやオフィスビルなど高層物件では、防犯カメラや巡回警備を強化するなど、空き巣や不審者の侵入防止に努めています。

【まとめ】

今回はマンションの大規模修繕工事に関するよくある質問を中心に解説しました。大規模修繕は12年~18年ごとに実施されることが多く、築20年を超えるマンション・ビル・団地では、すでに複数回目の工事が検討されるタイミングです。

新築時には修繕積立金が安く設定されているケースもありますが、その後積立額が不足し、大規模修繕時に追加費用が発生するケースもあります。
特に中古マンションを検討している場合は、現在の修繕積立金の状況や次回工事の予定、外壁やの状態を確認することが重要です。

工事中には、足場設置による生活の負担や、駐車場・駐輪場の制限、洗濯物が干せないなどの影響が考えられますが、長期的には建物の資産価値や安全性を守るために欠かせない工事となります。
これから大規模修繕を計画されている方は、ぜひ本記事を参考に、早めの準備と対応を行ってください。

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