1. 情報共有と協働体制の構築
情報共有プラットフォームの導入
理事会と施工会社間の情報共有を促進するため、クラウドベースの情報共有プラットフォームを導入します。工事進捗状況、会計情報、住民からの問い合わせなどを一元管理することで、意思決定の迅速化と透明性の向上を図ります。具体的には、SlackやMicrosoft Teamsといったコミュニケーションツールを活用することで、リアルタイムでの情報共有や議論が可能になります。
2. 長期修繕計画に基づく計画的な修繕の実施
専門家の活用
長期修繕計画の策定には、一級建築資格を持っている既存住宅状況調査技術者(いわゆるホームインスペクター)の知見を活用することが望ましいです。マンションほどの規模の建物は1級建築士でないと設計ができないケースが多いため、インスペクターが劣化状況をみた上で適切な診断と将来的な修繕計画を立案する必要があります。建物の劣化状況や法令に基づき、適切な修繕計画を策定し、資産価値の維持と安全性の確保を図ります。例えば、定期的な建物診断を実施し、劣化状況を把握することで、適切な修繕時期や修繕内容を決定することができます。
3. マンション管理の効率化:デジタル化で変わる暮らし
近年、マンション管理は、デジタル化によって大きく変貌しています。 マンション管理システムやコミュニケーションツールの導入により、業務の効率化だけでなく、住民の生活の質向上にもつながっています。
従来の掲示板やメールに加え、近年では、LINE WORKSのようなビジネスチャットツールや、Googleフォームのようなアンケートツールなど、多様なコミュニケーションツールが活用されています。これらのツールを活用することで、住民同士の交流を活性化させたり、アンケート調査を迅速に行ったりすることが可能になります。
これらのデジタルツールは、低コスト、または無料で導入できるものが多く、中小規模のマンションでも気軽に導入できます。たとえば、LINE WORKSは、多くの機能を備えながら、基本的な機能は無料で利用できます。また、Googleフォームは、アンケートの作成や集計を簡単に行うことができ、無料で利用できるため、費用を抑えながらデジタル化を進めることができます。
導入事例
LINE WORKS: 横浜市磯子区のマンションでは、LINE WORKSを導入し、住民同士のコミュニケーションを活性化させるとともに、管理組合の業務効率化を実現しています。(https://line-works.com/cases/isogo_apartmentblock/) Googleフォーム: あるマンションでは、Googleフォームを利用して、大規模修繕工事に関する住民へのアンケート調査を行い、スムーズな意思決定に貢献しています。(https://innovationforum.jp/2022/wp-content/themes/orijinal/gazo/380-2.pdf)
4. その他の考慮事項
⚫︎住民とのコミュニケーション: 住民とのコミュニケーションを密にし、管理に関する情報共有や意見交換を積極的に行います。透明性の高い管理運営を実現し、住民満足度の向上を図ります。例えば、定期的な住民説明会やアンケートを実施することで、住民のニーズを把握し、反映した管理運営が可能になります。
⚫︎専門家の活用: 法務、会計、建築などの専門家の知見を活用し、適正な管理運営をサポートします。例えば、弁護士に相談することで、契約書の作成やトラブル対応に関するアドバイスを受けることができます。
5. 事例
マンション管理システム導入による業務効率化の事例
とあるマンションでは、従来の紙ベースでの管理業務が煩雑化し、事務処理に多くの時間を要していました。そこで、マンション管理システムを導入したところ、工事管理、会計管理、住民管理などの業務を効率的に行えるようになり、事務処理にかかる時間を大幅に削減することができました。また、情報共有プラットフォームを併用することで、理事会と施工会社間のコミュニケーションが円滑になり、迅速な意思決定が可能になりました。
この記事に関するお問い合わせ先
株式会社相栄建総
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