千代田区の下地補修工事が重要な理由 建物の耐久性と安全性を高める補修のポイント

1. はじめに

千代田区は、都内で最も早くマンションが普及した地域であり、区民の8割以上がマンションを含む共同住宅に居住しています。 区内の分譲マンション490棟の中には旧耐震基準で建設された建物が138棟、築30年を経過したマンションが206棟存在しており、マンションの高経年化が進行しています。これらの数字からも、今後さらに老朽化が進むことが予想されます。

こうした中で、マンションの高経年化、管理組合の活動の低調さ、防災対策の遅れなどがマンション管理の課題になってきています。

マンションの適正な維持管理と、再生を含む長期的な将来像の検討が重要になる中で、千代田区は、大地震発生時の延焼火災の危険性が少ないため、災害発生時に避難するのではなく、自宅等にとどまることが求められています。 近年は、気候変動による豪雨、台風、猛暑等の複合災害発生の恐れも高まっており、マンションの防災力・減災力を強化する必要性が高まっています。

国の「マンションの管理の適正化に関する指針」や「マンション標準管理規約」の改正、東京都の「良質なマンションストックの形成促進計画」など、マンション管理を取り巻く状況が変化しています。東京都が策定した「良質なマンションストックの形成促進計画」に基づき、千代田区も連携してマンション管理の適正化を推進しています。

この記事では、現場で活動するマンション管理士が、今後どのように支援や介入を行うべきかを考察し、マンション管理士として、地域における適正管理の担い手となるための実践的なヒントを提供することを目的とします。

2. 市内分譲マンションの実態

2-1. 千代田区のマンションストック状況

千代田区内の分譲マンションのストックは、490棟、24,609戸であり、平均戸数は53.8戸です。 1987年~1996年まで、新規供給がほとんどなくほぼ横ばい状態であったが、2003年には1,799戸と最も多く供給されています。 棟数で見ると、新耐震設計基準が施工された1981年に最も供給が多く、30棟となっています。

地域別にみると、全体の約39.0%(191棟)が麹町地域に所在しており、和泉橋地域で15棟増加するなど、開発が進んでいる地域もあります。

2-2. アンケートから見る管理組合の現状

管理組合を対象としたアンケート調査では、463マンションを対象に実施し、302マンションから回答を得ています(回収率65.2%)。

2-2-1. マンションの概要

回答のあったマンション全体では、区分所有者の居住住戸があるマンションは70.9%(214棟)、賃借人等の居住住戸があるマンションは73.2%(221棟)となっています。 店舗・事務所等の利用住戸があるマンションは45.4%(137棟)です。

共用施設では、ゴミ集積場、掲示板等は80%以上のマンションに普及している一方で、共用部バリアフリー対応は30.5%、防災備蓄倉庫は18.9%、太陽光発電設備は3.0%となっています。

2-2-2. 管理組合活動について

管理組合総会の開催状況は、1年に1回開催しているマンションが9割以上を占めます。 理事会・役員会の開催状況は、毎月開催しているマンションが12.9%、隔月開催が25.5%、臨時的に開催しているが40.7%となっています。 一方、全く開催していないマンションも8.6%存在します。

役員の選任方法で最も多いのは輪番制で37.1%を占めます。 役員の任期は1年が44.4%と最も多いです。 専門委員会を設置しているマンションは8.6%と少ないです。

2-2-3. 管理規約について

管理規約があるマンションは96.7%です。 管理規約の改正状況については、改正したマンションが76.8%、改正していないマンションが9.9%となっています。 直近の規約改正年では、2018年が最も多く50.4%を占めます。 民泊禁止規定があるマンションは93.1%と多いです。

アンケート結果から、千代田区内のマンション管理における課題として、マンションの高経年化、管理組合の活動の低調さ、防災対策の遅れなどが挙げられます。

  • マンションの高経年化: 築30年以上のマンションが多数存在し、老朽化への対応が急務となっています。 具体的には、耐震性の不足、バリアフリー化の遅れ、設備の老朽化などが深刻な問題です。
  • 管理組合の活動の低調さ: 理事会の開催頻度が低い、役員のなり手不足、専門委員会の設置率が低いなど、管理組合の活動が十分に行われていない状況が見られます。 このことは、マンションの維持管理や課題解決の遅れにつながる可能性があります。
  • 防災対策の遅れ: 防災備蓄倉庫の設置率が低い、防災訓練の実施率が低いなど、災害への備えが十分とは言えない状況です。 大規模災害発生時に、居住者の安全を確保するための対策が求められます。

これらの支援を通じて、マンション管理士は、地域におけるマンションの適正管理の担い手として、重要な役割を果たすことができると考えられます。

3. 長期修繕計画と資金計画の実態

3-1. 長期修繕計画の策定率

国土交通省の調査によると、全国のマンションで長期修繕計画を作成している割合は90.9%であるのに対し、千代田区のマンションでは作成しているが67.5%と作成割合が低いことがわかります。 長期修繕計画を作成しているマンションにおける直近の改定年は、2016年~2019年が40.7%と最も多いです。

これは、将来の大規模修繕工事の実施に支障をきたす可能性があり、マンションの長期的な維持管理において不安要素となります。

マンション管理士は、長期修繕計画の重要性を啓発し、策定を支援することで、マンションの適切な維持管理に貢献できます。

3-2. 修繕積立金の計画・運用の課題

修繕積立金の充足度については、十分充足している、適切な水準にある、と回答したマンションの合計が約6割です。 一方で、やや足りていないと回答したマンションが26.1%、全く足りていないと回答したマンションが15.5%となっています。

これらの状況は、将来の修繕工事の実施やマンションの維持管理に悪影響を及ぼす可能性があります。長期的な修繕計画が未策定のままとなっていることは、今後の大規模修繕の遅延や資産価値低下の要因となりかねません。

千代田区としては、これらの課題に対して、修繕積立金の計画的な積立や、滞納への適切な対応を促す方針です。

マンション管理士は、修繕積立金の計画的な積立方法や、滞納者への対応について、管理組合に対して具体的なアドバイスを提供することで、マンションの健全な運営に貢献できます。

4. 顕在化する管理不全リスクと要支援マンション

千代田区では、管理組合における役員のなり手不足や、居住者の管理への無関心さ、居住者間のコミュニケーション不足などが、マンション管理上の大きな課題となっています。

管理会社へのアンケート調査によると、千代田区内のマンションの問題点として、以下が挙げられています。

  • 居住者同士のコミュニケーション不足:70.0%
  • 管理組合役員のなり手不足:60.0%

同様に、管理組合に対するアンケート調査において、役員のなり手不足や管理への無関心な居住者が多いということが課題として挙げられています。

これらの課題は、マンションの管理機能の低下や、居住者間のトラブル増加につながる可能性があり、早急な対応が求められます。

千代田区としては、これらの課題に対して、管理組合運営の効率化や、居住者間の交流を促進する施策を検討しています。

マンション管理士は、管理組合の運営効率化や、居住者間のコミュニティ形成について、専門的な知識と経験に基づいた支援を提供することで、マンションの管理機能向上に貢献できます。

   

しかし、管理組合における役員のなり手不足や管理への無関心といった課題は、マンションの長期的な維持管理において重要な判断を難しくさせる側面も持っています。特に大規模修繕工事においては、目に見える仕上げだけでなく、建物の耐久性や安全性の根幹に関わる部分への適切な対応が求められます。

   

その中でも、外壁塗装や防水工事の効果を最大限に引き出し、建物を長持ちさせるために極めて重要なのが、それらの仕上げ材を受け止める「下地」の状態です。どんなに高品質な仕上げを行っても、その下のコンクリートやモルタルにひび割れや浮きがあれば、すぐに不具合が生じてしまいます。したがって、修繕工事全体の品質と建物の寿命を左右する基礎的な工程として、「下地補修工事」の重要性は非常に高いと言えます。

修繕効果と建物寿命を左右する基礎:下地補修工事の重要性

建物の外壁やコンクリートは、経年劣化や気象条件の影響により、徐々にひび割れや欠損が発生します。これらの劣化を放置すると、以下のような問題が発生する可能性があります。

下地補修工事を行わない場合のリスク

  • ひび割れから雨水が浸入し、内部の鉄筋が腐食します。
  • タイルやコンクリートの剥落により、住民や通行人に危険を及ぼします。
  • 外壁の劣化が進み、建物の寿命が短くなります。
  • 下地が弱いまま塗装や防水工事を行うと、工事の効果が長持ちしません。
  • 建物全体の耐震性が低下し、大きな地震時に被害が拡大する可能性があります。

適切な下地補修を行うことで、建物の安全性を向上させ、長期的なメンテナンスコストを削減することが可能になります。

下地補修工事とは?他の工事との違い

下地補修工事とは、外壁やコンクリートの劣化を調査し、必要に応じて修繕を施す作業です。タイル面やコンクリート面に発生したひび割れや欠損箇所を特定し、それぞれに適した補修方法を適用します。これにより、外壁全体の安全性を確保し、その上に施される塗装や防水層が本来の性能を発揮できる状態を維持します。

この工事は、大規模修繕工事の中でも特に重要な基礎的な工程であり、補修が不十分な場合、後に行われる工事の効果が半減する恐れがあります。そのため、下地補修の精度が建物の耐久性に直結すると言えます。

相栄建総の下地補修工事サービス

相栄建総では、外壁やコンクリートの劣化状況を正確に診断し、最適な補修工事を提供しています。

当社の強み

  • 詳細な劣化調査と診断
    赤外線カメラや打診調査を活用し、目に見えない劣化も正確に把握します。
  • 最適な補修方法の選定
    劣化の種類に応じて、樹脂注入・モルタル補修・ひび割れ補修など最適な方法を適用します。
  • 耐久性を考慮した施工
    補修後の耐久性を最大限に高めるため、適切な材料を使用します。
  • 住民への影響を最小限に抑えます。
    工事のスケジュールを適切に調整し、住民の負担を軽減します。

下地補修工事の費用

下地補修工事の費用は、劣化の範囲や補修方法によって大きく異なります。ひび割れの補修、タイルの交換、コンクリートの埋め戻しなど、補修箇所や使用する材料によって単価が変動します。

相栄建総では、事前調査を徹底し、正確な見積もりを提示することで、予算に応じた最適な補修計画を提案します。

下地補修工事の期間

工事期間は、建物の規模や劣化状況によって異なります。例えば、外壁全体にわたる補修が必要な場合は数週間から数ヶ月かかることがあります。一方で、部分的な補修のみであれば、比較的短期間で完了することも可能です。

住民の皆様への影響を最小限に抑えるため、施工スケジュールを事前に共有し、計画的に進めます

下地補修工事の流れ

  1. 調査・診断
    劣化箇所を特定し、適切な補修方法を検討します。
  2. 補修計画の立案
    住民や管理会社と調整し、最適な補修方法とスケジュールを決定します。
  3. 補修作業の実施
    ひび割れ補修、タイル交換、コンクリート補修などを適切に行います。
  4. 最終確認・仕上げ
    施工後の状態を確認し、問題がないかをチェックします。

まずはご相談ください

下地補修工事は、建物の耐久性と安全性を維持するために不可欠な工事です。適切な補修を行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を守ることができます。

相栄建総では、確かな技術と豊富な経験を活かし、高品質な補修工事を提供いたします。調査・診断のご相談やお見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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