大田区のシーリング工事で建物の防水性能を強化 劣化を防ぐ施工のポイント

はじめに

東京都大田区では、分譲マンションの高経年化が進んでいます。高度経済成長期に建てられたマンションが築40年、50年を超え、設備や建物そのものの老朽化が避けられない状況にあります。これに伴い、建物の物理的な劣化だけでなく、管理体制の脆弱化や資金不足といった課題も顕在化しつつあります。

こうした状況を受けて、大田区は令和5年度に「分譲マンション管理適正化推進計画」を策定しました。これは、管理組合の運営や修繕体制に課題を抱えるマンションへの支援を強化し、区全体でマンション管理の質を底上げしていこうとする取り組みです。

本記事では、この推進計画の背景にあるマンション管理の実態や課題を明らかにしながら、そこに専門職であるマンション管理士がどのように関与できるかを整理します。目指すのは、単なるアドバイザーにとどまらない、「課題解決型」の管理士像の再定義です。

市内分譲マンションの実態

大田区のマンションストック状況

大田区内には2,457棟、約123,000戸の分譲マンションが存在しています。そのうち、築40年超の棟数は約30%を占めており、年々その比率は上昇しています。さらに、以下のような構造別の内訳が報告されています。

  • RC(鉄筋コンクリート造):約80%
  • SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造):約15%
  • その他:5%未満

このように、耐久性の高い構造であっても、築年数の経過とともに修繕や管理の質が大きな課題となることは避けられません。

アンケートから見る管理組合の現状

大田区が実施した管理組合向けのアンケート(回答数672)では、次のような実態が明らかになりました。

  • 総会の開催状況
    • 年1回以上開催している:87.6%
    • 開催していない:3.3%
  • 管理規約の整備状況
    • 制定済み:94.6%
    • 未制定:5.4%
  • 管理者(理事長など)の選任状況
    • 選任している:92.3%
    • 不在:7.7%

一見すると、多くの管理組合が基本的な組織運営を維持しているように見えます。しかし、総会の内容が形骸化しているケースや、管理規約の改正が長年行われていない実態も指摘されています。

特に築年数が経過するほど、理事のなり手不足や高齢化が進み、管理組合の意思決定が滞る傾向が強まっています。このような背景から、「管理はしているが、実態としては機能不全に近い」マンションが一定数存在しているのが現状です。

長期修繕計画と資金計画の実態

マンションの長寿命化と資産価値の維持に欠かせないのが、長期修繕計画とそれを支える修繕積立金の適正な運用です。大田区が行った実態調査によれば、修繕への備えにおいても、明確な課題が浮かび上がっています。

長期修繕計画の策定率

アンケート調査によると、長期修繕計画を策定している管理組合の割合は78.3%にとどまりました。裏を返せば、約2割のマンションでは長期的な修繕計画が未策定という状況です。

さらに、「策定済み」と回答した管理組合のうち、計画の見直しを5年以上行っていない割合は約30%にのぼり、形骸化しているケースも少なくありません。築年数が経過するにつれて、修繕内容や費用が変化していくにもかかわらず、それに対応した見直しが行われていないのが実情です。

修繕積立金の計画・運用の課題

長期修繕計画と表裏一体の課題として浮かび上がるのが、修繕積立金の不足です。アンケート結果では以下のような傾向が見られました。

  • 「将来的に積立金が不足する見込みがある」との回答:42.6%
  • 「現在の積立金で十分対応できる」との回答:33.0%
  • 「不明・分からない」との回答:24.4%

積立金不足の主な原因としては、「過去に十分な積立がされていなかった」「物価高騰で修繕費が想定より増加している」「計画自体が更新されていない」などが挙げられます。また、段階増額方式の導入が進んでいないことも、積立の乏しさに拍車をかけています。

このような状況を放置すれば、大規模修繕の実施が困難になり、結果的に建物の劣化が加速するリスクがあります。加えて、資金難から将来の住民トラブルや売買時の資産価値低下にもつながりかねません。

顕在化する管理不全リスクと要支援マンション

大田区の調査では、管理組合の運営状況についても深刻な課題が指摘されています。とくに注目されるのが、「管理不全」や「要支援」状態にあるマンションの存在です。

活動停滞、管理不在組合の現状

以下は、大田区のアンケート調査から明らかになった「活動の停滞」や「管理不在」の実態です。

  • 「理事がいない」または「なり手がいない」:20.4%
  • 「総会を開催できていない」:3.3%
  • 「管理規約が旧法のまま、改正されていない」:15.1%
  • 「修繕積立金の値上げを検討していない」:47.7%

特に築年数の古い中小規模のマンションにおいて、住民の高齢化や賃貸化の進行により、管理組合の担い手が不足しています。その結果、総会が形式的になったり、理事会が事実上存在しないケースも見受けられます

また、大規模修繕の時期を迎えても、意思決定ができず先送りされているマンションも存在します。こうした事例は、外部からの支援が必要な「要支援マンション」として、行政からも注目されています。

これらの課題に対しては、管理士など外部専門家の早期介入が極めて重要です。単なるアドバイスにとどまらず、実務支援や合意形成のサポートを通じて、管理体制の再構築を図る必要があります。

大田区が用意する支援策と管理士の介入ポイント

大田区では、分譲マンションの管理水準向上と老朽化対策を目的として、令和5年3月に「分譲マンション管理適正化推進計画」を策定しました。この計画は、区内に存在する約2,500棟の分譲マンションを対象に、管理組合の健全な運営支援、管理不全の未然防止、そして住民の住環境保全を総合的に目指すものです。

この計画に基づいて、大田区は以下のような支援策を展開しています。

  • 管理組合向け個別相談
    専門の相談員(管理士や建築士等)が、無料で管理組合の運営や修繕計画に関する相談に応じる仕組みが整っています。
  • マンション実態調査の実施
    区内全域の分譲マンションを対象としたアンケートと現地調査により、課題を可視化。調査結果を今後の施策に活用しています。
  • 管理計画認定制度への対応
    国土交通省が推進する「マンション管理計画認定制度」への申請をサポートし、区としても申請書類の簡素化や必要情報の提供を行っています。
  • 講習会やセミナーの開催
    区民や管理組合を対象とした定期的な勉強会を通じて、マンション管理に関する知識の底上げを図っています。

こうした制度的な支援に加え、実際の現場ではマンション管理士の関与が不可欠です。特に、以下のような場面において専門家としての介入が求められます。

  • 管理規約の見直しや標準化支援
  • 長期修繕計画の精査と見直し
  • 総会・理事会の運営支援と議事録整備
  • 理事のなり手不足に対する外部理事制度の提案
  • 管理不全の兆候があるマンションへの中立的な診断と助言

大田区の支援施策は、制度としては整いつつある一方で、実際の運用と住民の合意形成を担保する実務者の存在がなければ、機能しにくい側面もあるのが現実です。こうした点から、管理士の実践的な介入は制度の“最後のピース”とも言える存在です。

マンション管理士が果たすべき現場での役割

大田区のように築30年以上のマンションが多くを占める地域では、管理士の役割が年々重要性を増しています。単なる「相談対応者」にとどまらず、実際の組合運営に深く関与する伴走型支援者としての姿勢が今後ますます求められます。

今後、マンション管理士が担うべき役割としては、以下のような視点が挙げられます。

1. 合意形成支援のプロとしての役割

修繕積立金の増額や大規模修繕の実施、外部管理者の導入など、住民間の意見が分かれやすいテーマでは、中立的立場から合意形成を促すファシリテーターの役割が必要です。多数決に頼らず、住民が納得感を持てる意思決定を支える力が試されます。

2. 管理不全の予兆を見抜く観察者としての役割

理事の不在、総会未開催、規約未改正、修繕積立金の未徴収など、管理不全の兆しはさまざまな形で表れます。管理士はそれらを見逃さず、初期段階での介入を通じて被害拡大を防ぐ役割を果たさなければなりません。

3. 法制度・技術知識を橋渡しする翻訳者としての役割

法律や制度、技術用語に馴染みのない住民にとって、修繕や管理制度の専門用語はハードルとなります。管理士は、これらを住民にわかりやすく伝える通訳・翻訳者のような存在であることも重要です。

結論として、マンション管理士は、現場の課題を整理し、住民とともに実行可能な改善策を模索・実行する実践型の専門職であるべきです。大田区のように管理課題が多様化・複雑化する地域では、その力が問われる機会は今後さらに増えていくでしょう。

こうした管理課題において、建物の劣化を未然に防ぐ「予防的な修繕工事」も管理士の判断力が問われる場面です。中でも、建物の防水性能に直結するシーリング工事は、その代表的な例と言えるでしょう。

シーリング工事が必要な理由

シーリング工事は、外壁や窓枠の接合部を密閉し、防水性や気密性を確保するために必要な工事です。建物の隙間部分は、雨風や温度変化の影響を受けやすく、時間とともにシーリング材が劣化し、ひび割れや剥がれが発生します。この劣化を放置すると、以下のような問題が起こります。

シーリング工事を行わない場合のリスク

  • 外壁の隙間から雨水が侵入し、内部の鉄筋が腐食します。
  • シーリング材の劣化により、外壁の防水機能が低下し、漏水が発生します。
  • 建物内部に湿気がこもり、カビの発生や木材部分の腐食を招きます。
  • 気密性が低下し、冷暖房の効率が悪化し、光熱費が上昇します。
  • 劣化したシーリング材が外観を損ね、建物の美観や資産価値が低下します。

これらのリスクを回避し、建物の安全性や耐久性を向上させるために、シーリング工事を定期的に実施することが重要です。

シーリング工事とは?他の工事との違い

シーリング工事とは、外壁ボードや窓枠(サッシ)などの接合部分にシーリング材を充填し、防水性・気密性を確保する作業です。シーリング材には弾力性があり、建物のわずかな動きに対応できる特性があります。

この工事は、塗装や防水工事と並行して行われることが多く、建物の内部構造を守るために必要不可欠な補強工事の一つです。特に、下地補修工事と併せて適切なシーリング工事を実施することで、建物の劣化を防ぎ、長期間にわたって安全な状態を維持できます。

相栄建総のシーリング工事サービス

相栄建総では、建物の状況に応じた最適なシーリング工事を提供し、高い防水性能を確保しています。

当社の強み

  • 最適な材料の選定
    シリコン・変成シリコン・ウレタンなど、施工箇所に応じたシーリング材を使用します。
  • 高い施工精度
    熟練の職人が丁寧な作業を行い、耐久性の高い施工を実現します。
  • 美観への配慮
    建物のデザインに調和する色合いのシーリング材を使用し、美観を維持します。
  • 長期的な耐久性を確保
    劣化しにくい施工方法を採用し、長期間にわたって防水性能を維持します。

シーリング工事の費用

シーリング工事の費用は、施工箇所の長さや使用する材料によって異なります。一般的な相場は1メートルあたり約1,000円~1,500円ですが、建物の規模や施工範囲によって変動します。

相栄建総では、建物の状況を正確に調査し、適正な価格で高品質な施工を提供します。

シーリング工事の期間

工事期間は、建物の規模や施工箇所の数によって異なります。部分的な補修であれば短期間で完了しますが、建物全体にわたる施工の場合は数週間を要することもあります。

住民の皆様にご不便をかけないよう、事前にスケジュールを共有し、迅速に施工を進めます。

シーリング工事の周期と回数

シーリング工事は、10~15年の周期で実施することが推奨されています。劣化が進行する前に適切なメンテナンスを行うことで、建物の耐久性を長く維持できます。

シーリング工事の流れ

  1. 施工箇所の調査
    既存のシーリング材の劣化状況を確認し、補修方法を決定します。
  2. シーリング材の撤去・清掃
    劣化したシーリング材を取り除き、接合部を清掃します。
  3. 新しいシーリング材の充填
    適切なシーリング材を充填し、表面を均一に仕上げます。
  4. 仕上げと最終確認
    施工後の状態をチェックし、防水性能を確認します。

まずはご相談ください

シーリング工事は、建物の防水性と気密性を確保し、長期的な耐久性を維持するために不可欠な工事です。適切な施工を行うことで、雨漏りや建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を維持することができます。

相栄建総では、確かな技術と経験を活かし、高品質なシーリング工事を提供しています。調査・診断のご相談やお見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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