所沢市のシーリング工事で建物の防水性能を強化 劣化を防ぐ施工のポイント

はじめに

埼玉県所沢市では、1970年代後半から急速に都市化が進み、それに伴って多くの分譲マンションが供給されてきました。現在ではその多くが築40年を超える高経年マンションとなっており、老朽化による居住環境の悪化や、管理体制の崩壊が懸念されています。

こうした背景のもと、所沢市では2023年度に「マンション管理適正化推進計画」を策定しました。この計画は、市内におけるマンション管理の水準にばらつきが見られることや、管理組合の機能不全、修繕積立金の不足といった課題を踏まえたものです。市として、地域全体の管理水準を底上げし、住民の安全で安心な暮らしを支えることを目的としています。

本記事では、まず所沢市内における分譲マンションの実態と、管理組合が直面している課題について整理します。そのうえで、今後ますます重要性を増すマンション管理士の役割について、所沢市の支援策と関連づけながら考察します。特に、「相談対応型」から「課題解決型」へと進化が求められる管理士にとって、現場でどのような力が必要とされているのかを明らかにしていきます。

市内分譲マンションの実態

所沢市のマンションストック状況

所沢市には、2023年度時点で約1,200棟・約35,000戸の分譲マンションが存在しています。そのうち築30年以上のマンションは約40%を占めており、築40年超の物件も全体の1割以上にのぼります。建物構造としては、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造が中心ですが、初期の低層団地型マンションにはプレキャストコンクリート(PC)造も見られます。

こうした建物の多くは、大規模修繕や管理体制の見直しが必要な段階に差しかかっていますが、実際の管理状況には大きな差があるのが実情です。

アンケートから見る管理組合の現状

所沢市が2023年度に実施した管理組合向けアンケート(回収率約35%)によると、以下のような傾向が明らかになっています。

  • 総会の開催(年1回以上):約85%
  • 管理規約の整備状況(標準管理規約に準拠):約60%
  • 管理者の選任状況(理事長または管理会社):約70%

この結果を見る限り、多くの管理組合では総会自体は開催されているようです。ただし、その内容が実質的な議論や合意形成につながっていないケースも少なくありません。議案が形骸化している、理事会が十分に機能していないといった課題が散見されます。

また、管理規約については、長年にわたって改定されていない例が多く、現行法制度やマンションの実態に即していないことも問題となっています。全体の約4割の組合が、標準管理規約への準拠や見直しを行っていないという状況です。

さらに、管理者の選任についても、名目上は選任されているものの、実質的には管理会社が全面的に運営を担っているケースが多く、住民主体の管理が形骸化している現状も見受けられます。

このように、所沢市内の分譲マンションでは、管理体制や住民の関与度に大きなばらつきが見られます。今後は、単なる情報提供にとどまらず、現場に即した実務支援やコンサルティング機能が求められている段階に入っているといえるでしょう。

長期修繕計画と資金計画の実態

所沢市内のマンションの多くが高経年化している中で、建物の維持管理に欠かせないのが「長期修繕計画」と「修繕積立金の適切な運用」です。しかし、アンケート調査や市の実態把握によると、これらの基盤が必ずしも十分に整っているとは言えない現状が浮かび上がっています。

長期修繕計画の策定率

長期修繕計画とは、マンションの共用部分について、将来の修繕工事を見据えた工程と予算を計画的に立てるものです。所沢市の調査では、長期修繕計画を策定していると回答した管理組合は約75%にとどまりました。これは全国平均と比べてやや高い数値ではあるものの、裏を返せば4棟に1棟は計画未策定のままということになります。

さらに、策定済みの計画についても、内容の更新が行われていないケースや、建物の劣化状況と計画が合致していないケースがあり、計画の「質」や「実効性」に課題があると指摘されています。

修繕積立金の計画・運用の課題

長期修繕計画と並んで重要なのが、修繕費用の原資となる「修繕積立金」です。適切な計画と積立がなされていなければ、いざという時に修繕ができず、建物の老朽化が一気に進む可能性もあります。

市内の調査では、以下のような傾向が明らかになりました:

  • 適正水準以上の積立を実施している管理組合:約30%
  • 積立金の不足が想定される組合:約50%
  • 一時金徴収や借入による対応を検討中または経験済み:約20%

この結果からは、多くのマンションで将来の修繕に必要な資金が十分に確保できていない現状が浮き彫りとなっています。特に、築30年以上の高経年マンションにおいては、初期の積立金設定が低すぎたまま見直されておらず、現在の建築費上昇や劣化進行に対応できていない例も少なくありません。

また、修繕積立金の使途や運用方針が明文化されていない管理組合も多く、住民間での理解不足や不信感につながることも課題となっています。

顕在化する管理不全リスクと要支援マンション

管理体制の不備や資金不足が続くと、いずれマンションの運営自体が機能しなくなる可能性があります。所沢市では、こうした「管理不全」に陥りつつあるマンションの兆候を把握するために、管理組合の活動状況にも注視しています。

アンケートやヒアリング調査では、活動が著しく停滞している管理組合が市内全体の約10%にのぼることがわかりました。これらの管理組合では、以下のような問題が報告されています。

  • 理事会が開催されていない、または機能していない
  • 総会が数年にわたり未開催
  • 管理者が不在、または選任手続きが不明確
  • 修繕工事や点検が未実施のまま放置

このような状態では、適切な修繕や防災対策も講じられず、居住者の生活環境や資産価値が著しく損なわれる恐れがあります。さらに、建物の老朽化に伴って空室が増加し、スラム化のリスクすらあるという警鐘も鳴らされています。

特に高齢化が進む団地型マンションでは、理事のなり手不足が顕著であり、住民の高齢化と管理体制の脆弱化が同時に進行するという二重の課題が存在します。これらの「要支援マンション」に対しては、外部からの専門的な介入やサポートが不可欠であると市も認識しています。

このような背景から、今後は市の支援策に加え、マンション管理士の現場介入がより一層求められる時代が到来していると言えるでしょう。

また、こうした人的サポートとあわせて、建物そのものの劣化にも適切に対応していく必要があります。特に外壁や開口部の隙間から水分が侵入することは、建物全体の劣化を加速させる重大なリスクとなります。

シーリング工事が必要な理由

シーリング工事は、外壁や窓枠の接合部を密閉し、防水性や気密性を確保するために必要な工事です。建物の隙間部分は、雨風や温度変化の影響を受けやすく、時間とともにシーリング材が劣化し、ひび割れや剥がれが発生します。この劣化を放置すると、以下のような問題が起こります。

シーリング工事を行わない場合のリスク

  • 外壁の隙間から雨水が侵入し、内部の鉄筋が腐食します。
  • シーリング材の劣化により、外壁の防水機能が低下し、漏水が発生します。
  • 建物内部に湿気がこもり、カビの発生や木材部分の腐食を招きます。
  • 気密性が低下し、冷暖房の効率が悪化し、光熱費が上昇します。
  • 劣化したシーリング材が外観を損ね、建物の美観や資産価値が低下します。

これらのリスクを回避し、建物の安全性や耐久性を向上させるために、シーリング工事を定期的に実施することが重要です。

シーリング工事とは?他の工事との違い

シーリング工事とは、外壁ボードや窓枠(サッシ)などの接合部分にシーリング材を充填し、防水性・気密性を確保する作業です。シーリング材には弾力性があり、建物のわずかな動きに対応できる特性があります。

この工事は、塗装や防水工事と並行して行われることが多く、建物の内部構造を守るために必要不可欠な補強工事の一つです。特に、下地補修工事と併せて適切なシーリング工事を実施することで、建物の劣化を防ぎ、長期間にわたって安全な状態を維持できます。

相栄建総のシーリング工事サービス

相栄建総では、建物の状況に応じた最適なシーリング工事を提供し、高い防水性能を確保しています。

当社の強み

  • 最適な材料の選定
    シリコン・変成シリコン・ウレタンなど、施工箇所に応じたシーリング材を使用します。
  • 高い施工精度
    熟練の職人が丁寧な作業を行い、耐久性の高い施工を実現します。
  • 美観への配慮
    建物のデザインに調和する色合いのシーリング材を使用し、美観を維持します。
  • 長期的な耐久性を確保
    劣化しにくい施工方法を採用し、長期間にわたって防水性能を維持します。

シーリング工事の費用

シーリング工事の費用は、施工箇所の長さや使用する材料によって異なります。一般的な相場は1メートルあたり約1,000円~1,500円ですが、建物の規模や施工範囲によって変動します。

相栄建総では、建物の状況を正確に調査し、適正な価格で高品質な施工を提供します。

シーリング工事の期間

工事期間は、建物の規模や施工箇所の数によって異なります。部分的な補修であれば短期間で完了しますが、建物全体にわたる施工の場合は数週間を要することもあります。

住民の皆様にご不便をかけないよう、事前にスケジュールを共有し、迅速に施工を進めます。

シーリング工事の周期と回数

シーリング工事は、10~15年の周期で実施することが推奨されています。劣化が進行する前に適切なメンテナンスを行うことで、建物の耐久性を長く維持できます。

シーリング工事の流れ

  1. 施工箇所の調査
    既存のシーリング材の劣化状況を確認し、補修方法を決定します。
  2. シーリング材の撤去・清掃
    劣化したシーリング材を取り除き、接合部を清掃します。
  3. 新しいシーリング材の充填
    適切なシーリング材を充填し、表面を均一に仕上げます。
  4. 仕上げと最終確認
    施工後の状態をチェックし、防水性能を確認します。

まずはご相談ください

シーリング工事は、建物の防水性と気密性を確保し、長期的な耐久性を維持するために不可欠な工事です。適切な施工を行うことで、雨漏りや建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を維持することができます。

相栄建総では、確かな技術と経験を活かし、高品質なシーリング工事を提供しています。調査・診断のご相談やお見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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